さいとう伸一の
政治活動報告

  7.防災・減災とまちの安全・安心の取組について



(1)災害時の情報伝達手段について
 災害発生時に備える市民への情報伝達手段の整備状況
 先日、本市も記録的な大雪に見舞われましたが、災害時に被害を最小限に留めるためには、まず、情報の収集・把握・分析、そしてその情報が、広く市民に伝わることが重要であります。
 そこで、まず、
  • 災害が発生した際の、市民への情報伝達手段の整備状況について伺います。
 林市長答弁
 ICTを活用したものとして、ホームページや防災情報Eメール及びツイッターなどがあります。
 また、テレビ神奈川のデータ放送や広報車、ヘリコプターからの情報提供も行っています。
 その他、沿岸部では無線とスピーカーを活用した津波警報伝達システムを整備しています。

 現状の情報伝達手段の課題及び今後の取組
 情報伝達手段にはさまざまなものがありますが、いずれの手段にも長所短所があり、これで万全というものはありません。
 近年、IT技術が急速に進化し、伝達手段が多岐にわたるようになりました。本市においても、こうした最新の技術を活用し、伝達手段のさらなる充実を図る必要があります。
 しかし、新しい技術の活用のみに目を向けず、特に、高齢者や障害を持つ方などには十分な配慮をしていくことが必要であります。
 そこで、
  • 情報伝達手段について、現状における課題と今後の取組について伺います。
 林市長答弁
 現状では、電子メールやインターネットを活用したものが中心となっています。
 したがって、高齢者などいわゆるIT弱者に対しての情報伝達手段について、まだまだ強化していく必要があると考えています。
 今後の取組としては、引き続き自治会町内会の連絡網や掲示板などを使った、共助による対応を行っていただくほか、集中豪雨などによる浸水の危険性の高い箇所への同報無線の設置や新たに開発された技術の導入など、幅広く調査・検討をしてまいります。

 自助・共助の推進にも、行政からの情報発信が要となります。市民の命に直結する情報伝達手段を早急に整備するよう要望いたします。

(2)火災被害対策について
 火災被害を軽減するため、公助としての消防力強化に向けた取組
 本市では、24年10月に公表した横浜市地震被害想定を踏まえ、10年後である34年度までに人的被害を半減するなど、被害を軽減するための「減災目標」を設定し、さらにその目標達成に向けた取組を「横浜市地震防災戦略」という形で体系化しました。
 減災目標を達成するためには、火災による被害を最小限に留めることが必須です。
 今後、燃えにくいまちづくりを推進する一方で、これまでの教訓を活かし、特に自助・共助では消火できない同時に多発する火災に対しては、公助としての消防力を強化していくことが重要と考えます。
 そこで、
  • 火災被害を軽減するために、公助としての消防力強化に向けた取組について、伺います。
 林市長答弁
 地震防災戦略に掲げる減災目標を達成するためには、木造住宅密集地域での延焼防止対策が最も重要な課題ととらえています。そのため、

 ・これら地域の特徴である狭隘道路での消火活動が可能なミニ消防隊の増隊
 ・消火水を確保するため、遠方へ大量送水できるホースや水位の低い河川でも取水できる資機材の導入や防火
  水槽の耐震化
 ・地域に精通している消防団に、軽量で操作性に優れたホースの導入

これらの取組により、消防力強化を図ります。

 木造住宅密集地域の火災対策としての、出火防止や初期消火などに対する自助・ 共助の取組
 減災目標を達成するためには、自助・共助・公助の連携が不可欠であります。
 新たな被害想定では、370件もの炎上出火が想定されており、公設消防による消火活動のみに頼るのではなく、まずは火災の発生を防ぐために、市民一人ひとりが出火防止や初期消火などに取り組み、火災の発生そのものを防ぐことが極めて重要であります。
 そこで、
  • 木造住宅密集地域の火災対策として、出火防止や初期消火などに対する自助・共助の取組について、伺います。
 林市長答弁
 木造住宅密集地域などで懸念される延焼火災の対策では、市民の皆様一人ひとりが出火防止や初期消火の取組をしていただくことが何よりも大切なことです。
 そのため、出火させないための備えとして、感震ブレーカーや消火器の設置を各家庭に働きかけるなど、自助の意識を高めていきます。
 また、地域の皆様と消防署、消防団が一体となって、取り扱いが容易なスタンドパイプ式初期消火器具の設置や訓練を進め、地域の初期消火能力の向上を図ってまいります。

(3)下水道の防災・減災対策と老朽化対策について
 防災や老朽化対策の観点から、都市機能を支える基盤としての、今後の下水道事業の基本的考え方
 太田国土交通大臣は、25年を「メンテナンス元年」と位置付け、いま国を挙げて、高度成長期に集中的に整備されたインフラの老朽化対策に力を注いでおります。
 下水道事業においては、全国レベルで、液状化の予測、津波の影響などの見直しを含めた、早急な防災・減災対策や、老朽化対策と併せた都市基盤の強化を進めていると聞いています。
 そこで、
  • 防災・減災や老朽化対策の観点から、都市機能を支える基盤である下水道事業の今後の基本的な考え方について伺います。
 林市長答弁
 下水道は、公衆衛生の確保や浸水対策、水環境の保全など、370万市民の生活を支える、重要な都市基盤施設です。
 また、災害時でも、継続的に下水道サービスを提供していく必要があると考えています。
 そのため、予防保全型の維持管理や適切な再整備の実施など、市民の皆さまが安全、安心に生活できるよう、持続可能な下水道事業に取り組みます。

 「下水道の防災・減災対策を効率的に進める必要がある」
 下水道施設の耐震化は莫大な事業費と長い期間がかかりますが、いつ起こるかわからない大規模地震に備えて、市民生活に不可欠なトイレなどの最低限の下水道機能は、何としても確保しなければなりません。
 横浜の下水道は、昭和40年代以降の人口急増期に他都市に例を見ないスピードで整備されました。今後は、老朽化施設の急増が見込まれます。そのためにも、老朽化対策と併せ、
  • 下水道の防災・減災対策を効率的に進める必要があると考えますが、市長の考えを伺います。
 林市長答弁
 下水道施設の老朽化対策と併せて、効率的に耐震化を進めています。
 まずは、耐震化の効果を早期に発揮するよう、地域防災拠点や区役所、災害拠点病院など、被災時に多くの人が集まる場所や、液状化が想定される地区の下水道機能の確保を最優先に進めることが重要と考えています。
 また、業務継続計画である「下水道BCP」を策定しており、継続的に訓練を実施することで、職員の現場力向上や、様々な関係者との連携を強化するなどの減災対策を進めています。

(4)改正耐震改修促進法への対応について
 本市の対応
 昨年11月、改正耐震改修促進法が施行されました。
 この改正法は、ホテルや旅館など不特定多数の人が利用する大規模な建築物などに、耐震診断を義務付け、その結果を公表するなど、かなり踏み込んだものとなっております。
 また、地方自治体の判断により、災害時に重要となる道路の通行を確保するために、その沿道の建築物に耐震診断を義務付けることが法制度上可能になりました。
 本市は人口も多く、大規模な建築物も多数あります。災害時の被害も甚大であることが予想されるため、早急に耐震化を進めていかなければなりません。
 そこで、
  • 改正耐震改修促進法への本市の対応について伺います。
 林市長答弁
 大規模なホテルや百貨店など、法律で義務化された建築物に加え、政令指定都市で初の取組として緊急交通路の沿道建築物を 耐震診断の義務対象にしました。
 また、緊急交通路を補完する緊急輸送路などの沿道建築物の耐震診断、改修工事を新たに補助対象とし、耐震化施策を強化しました。

 耐震化促進の支援に関する考え
 耐震診断の義務化は、特定の建築物の所有者に負担を強いることになり、資金面など経営への影響も懸念されます。
 また、義務化された耐震診断を速やかに進めるためには、診断後に想定される改修工事に対する不安や、賃貸ビルにおけるテナントとの合意形成などの課題があります。建築物の所有者の理解を求めるために、今まで以上の働きかけや、より充実した行政からの支援が求められると考えます。
 そこで、
  • 耐震化促進の支援に関しての市長の考えを伺います。
 林市長答弁
 発災時の市民の皆様の安全確保や、発災後の復興に とって大変重要な事業となります。
 そこで、建物所有者の負担を軽減するため、耐震診断が義務付けられた建築物の診断費用を、原則として全額補助するなど、補助制度を拡充し、26年度予算に盛り込みました。
 また、これまで戸別訪問や専門家などを派遣し、建物所有者へ説明を実施してきましたが、今後も様々な機会を捉えて、耐震化へのより一層の理解を求めていきます。

 他都市と比較しても、本市の耐震化への取り組みは充実していますが、災害時の被害を軽減するため、今後も引き続き、建築物の耐震化の推進を強く要望いたします。

(5)鉄道駅ホームドアの整備について
 補助金を交付する基本的な考え方
 視覚障害者の多くの方が経験するといわれる駅のホームでの転落事故。特に通勤・通学のラッシュ時は、人とぶつかることで方向感覚が狂いやすく、極めて危険な状況であります。「ホームの点字ブロックのおうとつを頼りに、白杖で探りながら改札口をめざすが、何度も転落しそうになる」との声を受け、我が党としても国会議員とも連携し積極的にホームドアの設置に取り組んでまいりました。
 26年度予算案で、東急東横線とみなとみらい線の横浜駅において、ホームドアの整備に対する補助金が計上されております。
 そこでまず、
  • 補助金を交付する基本的な考え方について伺います。
 林市長答弁
 ホームからの転落事故が多く発生していることについては、私も心を痛めています。
 市民の皆様の安全確保や自殺の防止、公共輸送機関の運行の安定性を確保するためにも、ホームドアの整備は促進すべきと考えています。
 そこで、この度、新たな補助制度を立ち上げ、国や県と連携して、ホームドアの整備費用の一部について鉄道事業者に補助を行います。

 補助対象駅の考え方
 国においてもホームドアの整備促進に対しては積極的に取り組んでいるところであり、国の設置する「ホームドアの整備促進等に関する検討会」の中間とりまとめでは、優先整備駅の考え方が示されております。
 そこで、
  • 補助対象駅の考え方について伺います。
 林市長答弁
 国の中間とりまとめにおいては、一日の利用者数が10万人以上の駅や、視覚障害者からの要望の高い駅について、優先して整備を進めるよう示されております。鉄道事業者が、国の考え方を踏まえて検討しています。
 本市としても、国の考え方を基本に、優先的に整備すべき駅に対して補助を行うとともに、市内のより多くの駅で整備されるよう、鉄道事業者に働きかけるなど、積極的に取り組んでいきます。

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