さいとう伸一の
政治活動報告

  1.震災対策



(1)震災対策について

 質問
 本市においては、女性の視点を取り入れて防災計画の修正を行っていると聞いておりますが、防災計画を作成し推進する機関である「横浜市防災会議」の委員57名のうち女性は、会長である市長と神奈川区長の2名といった状況であります。

  • 女性の視点を取り入れるためにも、横浜市防災会議の委員に女性委員を増やすべきと考えますが、市長の見解を伺います。
 林市長答弁
 防災対策を進めるうえで、女性の視点を取り入れることは大変重要と考えます。
 今後は、少しでも女性の委員が登用されるよう進めていきます。

 質問
 本市では、既にデジタル移動無線を各地域防災拠点に配置しており、職員室が使用できない場合は、廊下にあるモジュラージャックに電話機を接続すれば使用出来る、と聞いておりますが、現在、主要な避難場所である体育館では使用できません。

  • 運営委員が避難者に対して情報を提供するため、有線電話などの設備を、地域防災拠点の体育館で使用できるように、整備しておくべきと考えますが、見解を伺います。
 林市長答弁
 主要な避難場所となる体育館で地域防災拠点の運営委員の方々が、デジタル移動無線や職員室にある電話の回線を使って、情報収集ができるよう、長岡市のような延長用通信配線を早急に準備するなど、通信設備の充実を図っていきます。

 質問
 市内に453か所ある地域防災拠点は、家が倒壊した方の一時的な生活の場であり、収容人数は一拠点あたり1,000人程度、食料の備蓄は1人2食分であり、地域の多くの方が避難するという想定ではありません。
 地域防災拠点の役割や収容能力の限界を市民に正確に伝え、家庭での備えを啓発していくことが、自助・共助の促進につながるものと考えます。

  • 市民の自助・共助の意識を高め、備えがより充実するよう、市民啓発を推進するべきと考えますが、見解を伺います。
 林市長答弁
 これまでも広報よこはまやパンフレット「減災行動のススメ」の配布、消防署による防災指導等の機会を通じて、啓発を実施してきました。
 今回の震災を踏まえ、減災の取組を一層進めるために、自助・共助の大切さをより分かりやすく啓発していくことはとても重要です。
 今後、自助・共助の意識が高まるよう、より一層取組を推進していきます。

 質問
 本市では、「地震マップ」「液状化マップ」や「洪水ハザードマップ」などを作成しておりますが、市民がこうしたマップを活用し、地域での訓練に生かしているという声を、残念ながら私はあまり聞いたことがありません。
 本市で作成した防災マップをもっと有効に活用し、地域ごとの防災対策を充実すべきと考えます。

  • 防災マップを地域レベルで活用してもらうよう、啓発をしていくべきだと考えますが、ご見解を伺います。
 林市長答弁
 日ごろから、想定される震度や避難ルートなどの情報が掲載されている防災マップを使い、市民の皆様が、震災対策に関する議論を行っていただくことや、防災訓練などの事前準備などで活用していただくことで、より安全な避難行動に結びつくことが期待されます。
 このことから、自治会・町内会など地域の皆様に、様々な場でこの防災マップを活用していただくよう働きかけていきます。


(2)市立病院の災害対策について
 質問
 本市には、市民病院、脳血管医療センター、みなと赤十字病院の3つの市立病院があり、災害時に市立病院が果たすべき役割は大きいものがあると思います。

  • 本市の防災計画における市立病院の役割と位置づけについて、伺います。
 林市長答弁
 市民病院とみなと赤十字病院は、県の指定する災害医療拠点病院であり、他の医療機関等で対応できない重症患者を受け入れるほか、被災患者のトリアージやヘリコプターなどによる広域搬送、被災地への医療救護班の派遣などの役割を担っています。
 特に、みなと赤十字病院は、県DMAT指定病院として、48時間以内に被災地での医療救護活動を行えるよう専門的な訓練を受けています。
 また、脳血管医療センターは、災害医療拠点病院を支援し、負傷者等の受入れを行うこととなっています。

 質問
 「建物の耐震性やヘリポートの設置、電力や通信手段などのライフラインの確保、多数の患者に対応可能な診察スペースや備蓄スペースの整備」といったハード的な要件に加え、「救命救急センターやDMAT」などの病院体制の整備といったソフト的な要件についても報告されています。

  • 東日本大震災を踏まえ、市民病院やみなと赤十字病院ではどのような検討をしていくのか、お伺います。
 林市長答弁
 ハード面の対応については、厚生労働省のまとめた報告書に基づき、災害医療拠点病院として求められる機能や設備を備えていきます。特に市民病院では、ヘリポートや自家発電装置の増強など大規模な施設改修を要するものについては、再整備を検討する中で対応していきます。
 ソフト面での対応については、災害発生時に職員として取るべき行動を再確認し、訓練を積み重ねて的確な対応が取れるようにしていく必要があると考えています。また、市民病院では次期中期経営プランの中で、県DMATの指定を受けることを目標としており、必要な人員や設備について整備を進める予定です。

 質問
 災害医療拠点病院には、重症患者の受入れや医療救護活動を行うための人員体制と設備が整えられておりますが、このような病院は市内に13か所しかありません。

  • 災害医療拠点病院が、重症患者の受入れや、広域搬送といった高度な役割や機能を十分に発揮するためには、災害医療拠点病院以外の医療機関と相互に連携を図っていくことが必要だと考えますが、見解を伺います。
 林市長答弁
 市民病院をはじめとする災害医療拠点病院の重要な役割である重症者への緊急治療を的確に行うためには、重症以外の負傷者は、一般の病院や診療所で受け入れてもらうことが必要です。
 そのため、重症度に応じた役割分担を明確に定め、被災直後の負傷者の受入れに協力いただける一般の病院等を拡充させるなど、市内の医療機関が一丸となった体制作りが大事と考えます。

 質問
 震災対策については、発災時は災害対策本部を設置し、各区局は本部に情報を集め、市長の指揮のもと一元的に災害対応を行っておりますが、平常時には各区局がそれぞれ所管する分野で、個別に災害対策を進めています。

  • 震災対策にあたっては、局の垣根を越えて、一元化し、全体を俯瞰して強力に進めていく必要があると考えますが、見解を伺います。
 林市長答弁
 私を本部長とする災害対策本部や「くらし・経済」震災対策本部に、庁内横断プロジェクトや放射線対策部を設置するなど、これまで実務的にも全体で課題を共有しながら、対策を進めてきました。
 今後とも市民の皆様の安全・安心のため、職員一人ひとりが市民の立場に立って、何が必要かを考え、迅速に対応できるよう、組織の枠組みを超えた情報共有や連携を強化するなど、震災対策に取り組んでいきます。

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